コラム

生理前のふわふわめまいの悩み!月経前症候群(PMS)とは?

月経前症候群(PMS)とは?

一般的にめまいは女性が多いと言われています。私自身、めまいで悩んでいる女性に数多く出会ってきました。月経前症候群とは、月経が開始する3~10日位前から身体的、精神的にさまざまな症状が現れます。症状は軽度なものから重度なものまでさまざまです。女性には25〜38日間の性周期があり、月経(生理)の始まりから次の月経までが1つのサイクルとなります。性周期前半は、女性ホルモンのエストロゲンが多く分泌され、卵巣内の卵胞が成熟する卵胞期という時期になります。そして、性周期のちょうど14日目頃に成熟した卵胞から卵子が排出され、これを排卵と呼びます。排卵後は妊娠に備えて黄体から女性ホルモンであるプロゲステロンが多く分泌されるようになります。この時期は黄体期と呼ばれ妊娠が成立しなければ、妊娠のために準備された子宮内膜が剥がれ落ちて月経が生じ、次の性周期に移ります。

月経前症候群の本当の原因は明らかになっていませんが、女性ホルモンの変化が関与していると考えられています。黄体期はエストロゲンとプロゲステロンが多く分泌されますが、黄体期後期に入るとそれらが急激に低下することにより脳のホルモンや神経伝達物質の異常が生じ、月経前症候群の症状が現れると言われています。

月経前症候群の症状はさまざまです。

〇身体症状

腹痛

頭痛

腰痛

乳房の張り

むくみ

お腹の張り

など

〇自律神経失調症状

動悸

食欲不振・過食

めまい

倦怠感

のぼせ

など

〇精神症状

情緒不安定

イライラする

抑うつ

不安感

緊張

睡眠障害

集中力の低下

眠気

など

月経前症候群は検査で診断されるものではありませんが、貧血や栄養不足など似たような症状を引き起こす他の原因がないか確認する必要があります。子宮や卵巣などに異常がないか調べるために超音波検査が行われることもあります。さらに、精神症状がある場合は、うつ病などの他の精神疾患でないか検査する必要もあります。

月経前症候群の治療について

軽症な場合にはカウンセリングや生活習慣改善を行います。その他には有酸素運動、禁煙、節酒、ストレスの解消なども行います。これらの対策でも症状が改善しない場合には、エストロゲンとプロゲステロンが配合された低用量経口避妊薬が使用されます。また、自律神経失調症状には漢方薬、体の痛みには消炎鎮痛剤が処方されます。さらに、精神症状が強く現れる場合には、抗うつ薬が使用されることもあります。

月経前不快気分障害(PMDD)とは?

月経前症候群の中でも精神症状ばかりが強く出てしまう場合は月経前不快気分障害の可能性があります。月経前不快気分障害は抑うつ、不安や緊張、情緒不安定、怒りやイライラの症状が中心で、月経前に症状が強く現れると日常生活や人間関係に支障をきたします。月経前症候群と同じく、本当の原因はまだ完全に明らかになっていません。

月経前不快気分障害の診断基準として米国精神医学会(APA)のDSM-5が用いられます。問診で自覚症状や日常生活の影響などを確認して、それらの症状が毎月繰り返されているかを確認したうえで診断されます。

  • 著しい感情の不安定性
  • 著しいいらだたしさや怒り、または対人関係の摩擦の増加
  • 著しい抑うつ気分や絶望感、または自己批判的思考
  • 著しい不安、緊張および または「高ぶっている」や「いらだっている」という感覚

のうち1つ以上、それに加えて

  • 通常の活動における興味の減退
  • 集中困難の自覚
  • 倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如
  • 食欲の著しい変化、過食または特定の食物への渇望
  • 過眠または不眠
  • 圧倒される、または制御不能という感じ
  • ほかの身体症状(乳房の圧痛または腫脹、関節痛または筋肉痛、膨らんでいる感覚、体重増加)

の(1)〜(11)のうち5つ以上の症状がみられ、その症状により苦痛をもたらされていたり、日常生活に支障をきたしていたりしていることが診断に必要となります。また、この障害が、ほかのうつ病やパニック障害などの症状ではないことも確認されたうえで、月経前不快気分障害と診断されます。精神疾患がある人などで月経前に精神症状が悪化し、月経が終わった後も症状が続くことがある場合は月経前症候群や月経前不快気分障害ではなく、原疾患の月経前増悪(PME)と診断されます。

月経前不快気分障害の治療について

症状が軽い場合は対症療法として、情緒不安定に対して精神安定剤、むくみには利尿薬、頭痛や腹部痛には鎮痛剤などが用いられます。そして、症状が中等症以上の場合で気分の落ち込みや不安などの精神症状に対しては抗うつ薬による薬物療法が行われます。抗うつ薬にはさまざまな種類がありますが、月経前不快気分障害の場合にはまず選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が考えられます。ホルモン療法としまして、経口避妊薬の処方も考えられます。服用することによって排卵を抑制し、月経前不快気分障害の症状を緩和させる治療方法です。また、体のバランスそのものに働きかけることを期待して漢方薬も処方されることがあります。

月経前不快気分障害の予防について

まずは月経前不快気分障害について理解することが重要です。そして、自分で把握するために症状が現れる時期や症状の強さを日記に書くことも大事です。ストレスを感じている場合は適度な運動をしたり、気分転換やリラックスしたりする時間を意識して過ごすことも大切です。症状が強く現れる時は仕事や家事や勉強などの負担を減らすことも考え、その為には周りの方にも月経前不快気分障害についての理解も本人同様に重要になります。男性には症状の辛さがわかりづらい為に口論にならないように気を付けなければいけません。

月経前のふわふわめまいについて

上記のとおり、月経前のふわふわめまいがなぜ起こるのかということですが、月経前はホルモンバランスが崩れやすく、神経伝達物質や脳内ホルモンに異常が生じることがあります。

これによって自律神経のバランスが乱れると、ふわふわめまいなどの症状が現れます。特に、20~30歳代の方や更年期世代の方や疲労やストレスが溜まっている方に多くみられると考えられています

対処法

●深呼吸をする。 (この動作を繰り返す。)  (注:腹式呼吸を意識する。)

・鼻からゆっくりと空気を吸い込む。

・口からゆっくりと息を吐き出す。

深呼吸することで、自律神経のバランスの乱れが改善され、めまい症状の緩和が期待できます。

●十分な睡眠時間を確保する。

快適な睡眠をする為に、

・適度な運動をする。

・バランスのよい食事を摂る。

・温かい飲み物で眠気を促す。

・朝起きたら太陽の光を浴びる。

良質な睡眠を十分とることで疲労が回復して、自律神経の機能回復にもつながると考えられています。

●体を温める。

・適度な運動をする。

・寒いときは、首にネックウォーマーを着用する。

・足湯をする。

・生姜や根菜など体を温める食材を食べる

体を温めることで血行や代謝が促進され、自律神経のバランスの乱れの改善が期待できます。

●ヨガを行う。

・腹式呼吸(深呼吸)を取り入れながら、ゆったりと体を動かす。

(身体に無理がない範囲で軽い運動をするようにしましょう。あと、めまいがある場合は無理せずに安静にしましょう。)

ストレス軽減につながり、自律神経のバランスの乱れが改善すると考えられています。

まだ明らかになっていない本当の原因を考える!

月経前のふわふわめまいについて調べていると気になる記事を見つけました。女性ホルモンのプロゲステロンには、水分を体にためこむ作用があり、そのため、内耳に水分がたまることで、月経前のめまいが起こっているケースも考えられるということです。この記事の内容は、上記の月経前症候群に記述した「黄体期後期に入るとそれら(エストロゲンとプロゲステロン)が急激に低下することにより脳のホルモンや神経伝達物質の異常が生じ、月経前症候群の症状が現れると言われています。」という内容と少し違った内容になってしまいます。プロゲステロンが多くなるとめまいが起こると言われていたり、プロゲステロンが低下すると症状が現れると言われていたりさまざまです。たしかに、めまいの症状でよく聞くことがある漢方医学の考えの「気」「血」「水」という3つの概念で「水」は水滞と言い、身体の代謝しきれない余分な水が、頭部で脳脊髄液や耳の内リンパ液の循環に影響を及ぼすことで、めまいや耳鳴りの症状が現れるいう考え方です。「水」が原因のめまいでは、めまいのほかに頭痛、むくみ、下痢なども水分の代謝異常として起こることがあります。このような症状では体の余分な水を汗や尿として体外に排出する漢方薬を使用しているということですので、西洋医学と漢方医学で原因についての考え方の違いなのかもしれません。

ここまで記述した一般的に言われている内容での予防や対処法は非常に重要なことです。しかし、薬や漢方の処方や、適度な運動、バランスの摂れた食事、十分な睡眠をとる・・・などのことを日常生活で実行してもなかなか症状が改善しないという方はいませんか。めまいで薬や漢方薬を飲んでもなかなか良くならなかった女性を私は何人も出会ってきました。その方々をみていると共通点があります。それは、自律神経のバランスの乱れとホルモンバランスの乱れがあることです。自律神経系と内分泌系の働きについて考えないと本当の原因に辿り着きません。体の動きや感覚を調節する神経系には、脳と脊髄からなっていて、全身に指令を送る神経系統の中心的な働きをしている中枢神経と、その中枢神経と体の諸器官に分布する神経とを結び、情報の伝達をしている末梢神経があります。末梢神経系に自律神経があります。

自律神経系について

自律神経系の働きは、呼吸や血液循環などの調整を無意識にしてくれている神経です。自律神経系は、交感神経と副交感神経の2つの神経系に大きく分けられます。その2つは多くの場合同じ臓器に分布して、交感神経は体の働きを活発にして、副交感神経は、体をリラックスさせる働きをします。また、それぞれ臓器にはノルアドレナリンやアセチルコリンという神経伝達物質を放出して命令を出しています。

内分泌系について

内分泌とは、血管の中に物質を分泌し、体の臓器などの諸器官のところまで血液が物質を運んでいく働きを行うしくみのことで、分泌される物質はホルモンと呼ばれています。ホルモンは微量でも体に大きな影響を与えます。ホルモンは体の中の内分泌腺というところで作られています。内分泌腺には、視床下部、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓、生殖腺などがあり、それぞれ違った働きのホルモンが作られています。本当の原因を考えるには視床下部と下垂体に着目する必要があります。

女性ホルモンと月経の関係

月経は主に

・視床下部から下垂体に向けてゴナドトロピン放出ホルモンが分泌される。

・下垂体が卵巣に向けて卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが分泌される。

・卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロン

によって調節されています。

視床下部→性腺刺激ホルモン放出ホルモン→下垂体→性腺刺激ホルモン→卵巣→女性ホルモンを分泌

このように女性ホルモンは脳の視床下部から下垂体へ、そして卵巣へ指令が伝えられて分泌されます。女性ホルモンの分泌量を司っているのは、脳の視床下部と下垂体です。特に視床下部は自律神経系・内分泌系・免疫系・感情なども調整する働きをしています。脳幹の中で第三脳室を囲む脳部位にある間脳に視床下部はあります。月経前症候群や月経前不快気分障害の原因の追究の鍵は視床下部の働きです。

まとめ

原因の追究の鍵は視床下部の働きです。そして、視床下部の働きに影響を及ぼす体のある部位が原因です。それは首です。薬や漢方の処方、適度な運動、バランスの摂れた食事、十分な睡眠をとる…等のことを日常生活で実行してもなかなか症状が改善しないという方は首に着目することが重要です。女性でめまいに悩まれている方も首に違和感や痛みや麻痺感などありませんか。首こりや肩こりはありませんか。ある記事では、首こりや肩こりの原因のひとつとして月経前症候群ということを考えられている人もいます。はたして、そうでしょうか。首に原因があり、それで首こりや肩こりになり、それと同時に視床下部の働きに影響があり、自律神経系や内分泌系が乱れて月経前症候群の症状が現れていると考えています。

そこで、首ということが判明しても「首に何をしていいのかわからない」「どこに首の治療に行っていいのかわからない」という方は気軽にお電話してください。相談料金は0円です。

きちんと首の治療や対処をすると、脳が神経を介して体の状態をしっかり把握することになります。 脳が体の状態を把握するということは、適切なホルモンが適切な量だけ適切なタイミングで分泌する体になります。悩んでいる方は一日も早く健康な体を取り戻しましょう。

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